東京大学フィルハーモニー管弦楽団(東大フィル)の2025年シーズン団長をつとめる佐々木稜央です。
当団のようなオーケストラ団体は、弦楽器・管楽器・打楽器の多様な楽器で構成されています。全員で一つの音楽を作ることは非常に難しいことですが、その演奏をよりよくしていく過程には多くの学びや成長があります。完成度の高い演奏のためには、全体での合奏練習はもちろん、個人の練習も必要不可欠です。
東大フィルでは基本的に週に1回、全体で合奏練習を行っています。比較的少ない全体練習の中で高いレベルの演奏ができるのは、各々がそれ以外の時間でしっかりと自主練習をしていることが要因の一つに挙げられます。さらに練習回数の少なさは、他の音楽団体を掛け持ちしやすいことにつながっており、多くの団員が複数の音楽団体で活躍しています。他で学んだことを当団の演奏に活かし、全員でよりよい演奏を目指しています。
東大フィルには様々な背景をもつ団員がいます。幼少期から楽器を習っていた人はもちろん、中学や高校の部活で始めた人もいます。また、吹奏楽部・弦楽部・ソロで演奏してきた人もいれば、ピアノなどオーケストラにはない楽器を演奏してきた人もおり、一人として全く同じ背景を持ちません。そんな私たちが集まる練習や演奏会は、お互いを刺激し、高めあうことのできる最高の環境です。
最後に、2025年シーズン前半の演奏会は五月祭(5/25)と第54回定期演奏会(6/29)に予定しております。前プログラムではワーグナーによる歌劇『ローエングリン』から第1幕への前奏曲と第3幕への前奏曲を演奏します。前者は弦楽器で始まり神秘的な響きを持っており、後者は快活な管楽器の音色が特徴的です。続いて中プログラムは、壮大な自然を感じられるシベリウスの交響曲第7番です。そして、作曲者の郷土愛が十分に反映されたブルッフの交響曲第3番がメインプログラムとなっております。ぜひお越しください。
東京大学フィルハーモニー管弦楽団 佐々木稜央
2025年4月